グラフィティアーティスト・ESOWさんの描く「福助人形」をモチーフに、ソフビスタジオ・中空工房が製作したソフビアートピース「福助」。この特集では、幸福を招くとされる縁起人形として江戸時代から親しまれてきた福助人形とともに、ESOWさんゆかりのお店を巡り、取材、撮影した「福助の在る風景」を全3回にわたってお届けします。第1回目は浅草の居酒屋「気まぐれえりこ」。気さくなご店主・えりこさんが温かく迎えてくれました。
「気まぐれえりこ」は浅草寺、花やしき近くの初音小路にある居酒屋。路地に入ると目に飛び込んでくるESOWさんの大胆なペイントがお店の目印です。
店内はアットホームな雰囲気のカウンター席。外にはテーブル席もあり、涼しい風を感じながらお酒を飲むことができます。店主・えりこさんの朗らかな人柄も相まって、居心地の良さはばつぐん。ひとりで来る女性のお客さんも多いんだとか。
【気まぐれえりこ店主・えりこさんに聞いてみた】
ーーお店を始めたのはいつ頃ですか?
えりこ
:お店をはじめたのは2017年なので、今年で7年目です。はじめたきっかけは、子育てが終わったあとひとりで楽しく生きていくために、こういうお店を開いたらみんなが来てくれて寂しくないかな、楽しい老後を過ごせるかな、と思って。
店主のえりこさん。無造作に貼られたメニューは、お酒好きにはたまらないラインナップ
ーーESOWさんと知り合ったきっかけは?
えりこ
:最初に知り合ったのはお店をはじめる前です。北千住にある八古屋という飲み屋さんの常連同士だったんです。マスターのまーさんがジェシー(ESOW)さんを紹介してくれてそこで知り合いました。
ESOW
:仲良くなったあと、展示にピザの差し入れを持ってきてくれたりしたね。
えりこ
:そうそう。お花見とかにもピザを持っていったりして。そのころから仲良くしてもらってるから、10年近い付き合いになると思いますね。当時から、お店をはじめたら絶対に絵を描いてもらいたいと思ってたんですよね。
ーー絵はお店がオープンするときに描いてもらったのですか?
えりこ
:オープンのときはお金がなかったので、お祝いで提灯の絵を描いてもらったんです。それだけでも感激でした。外壁の絵は店がオープンしてから1年経った頃に、「ここに描いてください!」とお願いして。そのときもすごく感動しましたね。
オープンのお祝いに贈られた提灯
ーー外壁はESOWさんが思う「気まぐれえりこ」のイメージで描かれたのですか?
えりこ
:元々ここはクリーム色の壁だったんですが、一緒にペンキを買いに行ったときに「この緑が良い!」とビビッときて、その色をベースにして描いてもらいました。あとは太陽とかひまわりみたいなパアッと明るいものを描いてほしいともリクエストしました。
ESOW
:俺はそんなの描けないよって言った(笑)。
夜でも存在感を放つ外壁のペイント
店内の絵。右上にはえりこさんのイラストも
えりこ
:店内の絵は、コロナでお店を閉めていた期間に「なにかやろうぜ」ってジェシー(ESOW)さんが提案してくれて、誕生日のときに描いてもらった絵を、新しく描き直してもらいました。新しい絵になってから、お店との一体感が増したというか雰囲気がより明るくなりましたね。 お客さんも「こんな有名な人の絵を見ながら飲めるなんて」とすごく喜んでくれてます。
ESOW
:うまいこと言うねえ。
えりこ
:本当に言ってくれてるよ!(笑)
ESOWさん「俺が一番金使ってるっていうくらい来てる」えりこさん「暇な時に来てくれるから、神様!って感じ」
ーーでは最後に、おすすめメニューを教えてください!
えりこ
:一番良く出る、みんなが大好きなのは唐揚げ。全然普通の素朴な味なんだけど、みんな好んで食べてくれます。
ESOW
:基本しょっぱめだからね。
えりこ
:酒飲みが作るつまみだから、大体しょっぱい味付けになってる(笑)。
気まぐれえりこの定番。醤油の効いた味付けでお酒がすすむ
えりこさん、ESOWさんありがとうございました!
「福助の在る風景」其の二は、来週公開予定!次回もお楽しみに。
こちらの福助は実際にお店に鎮座中
浅草六区の商店街「六区ブロードウェイ」では、あちこちにESOWのアートを見つけることができる。道中にぜひ立ち寄ってみてほしい
【店舗情報】
気まぐれえりこ
〒111-0032 東京都台東区浅草2丁目7−21 初音小路飲食街
営業時間:平日17時〜23時
定休日:火曜
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