中空工房から新しくリリースされるソフビアートピース「MY BEAR」。イラストレーターのumaoさんと中空工房がタッグを組むのは2021年に発売したソフビ「my ghost bear」に引き続き2度目です。今回はumaoさんに中空工房までお越しいただき、工房代表の今さんとともに新作「MY BEAR」の制作についてお話をうかがいました。



プロフィール

umao

:イラストレーター。東京在住、京都精華大学デザイン学部卒業。2016年よりイラストレーターとして、書籍や広告、webなどの媒体で活動。動物と青色が好き。

今清和
:中空工房代表。数学とフライドポテトが好き。

――中空工房でのソフビ制作はumaoさんにとって2度目となりますがオファーが来た時はいかがでしたか?

umao

:ぜひやらせてください!って感じでした。「MY GHOST BEAR」もそうですが、今のところ自分で売り込むよりも、声をかけていただいたプロジェクトの方がいいものが作れる気がしていて。ソフビも1弾で終わらずに、2弾目のお話をいただけたのはありがたいですね。

 

 今 

:はじめは、くまのお腹にねずみがうつ伏せに寝そべっている作品から着想を得たんです。すごく可愛い絵で、ソフビでもこういうことをしたいなと思いました。2個セットというのも今までやったことがないですし。「MY GHOST BEAR」とは違ったアプローチのソフビが作れたらいいなと。

 

↑「MY BEAR」着想の元になった作品。ぬいぐるみのお腹の上でねずみが寝ている、なんとも可愛らしいイラスト。

日本ではできないことを詰め込んだ「MY BEAR」

――中空工房が中国でソフビの生産をスタートしたのは去年のことです。現地の工場まで足を運び、クオリティを担保できるようになるまで現地スタッフと細かくすり合わせをおこなうことで、中国での生産を開始することができました。

 今 

:中国で生産する時のルールとして決めたことが「日本で作れないものを作る」ということでした。単純にコストを抑えられるということだけでなく、国内では色々な条件に当てはまらなかったことを、中国で作ることで実現できたのが「MY BEAR」です。

 





1 耳についた布タグ
umaoさん、今さんともに絶対にやりたかったという耳のタグ。タグが付くだけでぬいぐるみ感がグッとアップします。企業としてソフビを制作する中空工房だからこそ、数とクオリティを兼ね備えた加工が実現しました。

umao

:このタグを実現できたのはすごく嬉しかったです。

 今 

:企業としていかに多くの方に認知してもらうだとか、新しい価値を提供していくかという点において、こういった細部のこだわりは活きてくるんじゃないかと思います。



2 ふわふわのフロッキー加工
国内ではロット(最小生産数)の問題で実現が難しかったというフロッキー加工。試行錯誤のすえ、3色のバリエーションを作ることができました。



3 細かいパーツ分け
フロッキー加工がされている本体部分と、加工のされていない目、鼻、耳の黒い部分などを全て別パーツとして制作。それにより、一つひとつの塗装を綺麗に仕上げることができました。パーツは本体に接着して取り付けています。



4 ねずみの尻尾
金型から抜いて制作するというソフビの性質上、ドーナツのように空洞がある形は作ることができません。なので、このくるんとした尻尾はシリコン型にPVC(ソフビと同様の材料)を流し込んで制作しました。

 今 

:ソフビの作り方としては邪道だと思います(笑)。でも僕たちはあくまでももとの絵に忠実に、自分たちのリソースで立体物を作るという考えなので。尻尾の中にはちゃんと鉄芯が入っていて、折れないようになっています。



5 こだわりのパッケージ
MY BEARの文字部分や目、口をニスでぷっくりとさせるニス盛り加工や、マットな手触りの紙、また少ない生産数でもソフビに合わせて色変えをおこなったりと、こだわりが詰まったパッケージ。内フラップ部分が耳のようになっているのはデザイナーの遊び心です。



試行錯誤を重ねたデティール

 今 

:カラーリングはumaoさんに選んでいただいたんですよね。

umao

:そうですね。すごく綺麗に色が出てびっくりしました。めちゃくちゃ気持ちのいいカラーで。

――これはフロッキーに色をつけているのですか?

 今 

:いや、実はフロッキーは透明なんです。要は青い下地に毛だけがついている、という状態ですね。フロッキーがかかると少し白っぽく見えるので、それを見越して下地の色も決めています。

↑試行錯誤の跡が見えるサンプル。左は青い地に青いフロッキー、右は青い地に白いフロッキー。

umao

:手触りが違うだけでスペシャル感があって好きです。可愛いし。

――今回の「MY BEAR」で、前回とは違った素材や仕様に挑戦したことで、新しく感じたことはありましたか?

umao

:ケンエレさんではソフビ以外にも、ぬいぐるみとかカプセルトイとか、色々なことをさせてもらっているんですが、どんな素材でも100%のものを作ってもらっていると思っています。しかも本当に多くのことを提案していただいて、ああしたいこうしたいと言いづらい性格の自分にとってはすごくありがたいです。

小学生の頃からの夢だったイラストレーターとして活動していくなかで、同じく小さい頃から好きだったフィギュアやぬいぐるみの商品化を叶えられたことは本当に嬉しいですね。さらに今回はパッケージにまでこだわってもらって。

 今 

:前回はできませんでしたからね。

umao

:第3弾のアザラシ、第4弾のhedgehogもすごく楽しみです。


インタビューは【後編】に続く

ただいまケンエレストアでは「MY BEAR」先行予約を受付中。ご予約はこちらから。